マインドフルネスストレス低減法（MBSR）とは
- Akiko Housako
- 2020年5月4日
- 読了時間: 7分
更新日：10月15日
この記事では、ストレスの低減に科学的な効果が認められている「マインドフルネスストレス低減法（MBSR）」についてご紹介します。
この記事には、MBSRに関する以下の内容が記載されています。
プログラムのご参加に関心がある方は、お問い合わせよりお知らせください。
１．MBSRの概要
1-1. MBSRとは何か
マインドフルネスストレス低減法（MBSR：Mindfulness Based Stress Reduction）
は、８週間にわたる、マインドフルネスの集中トレーニングです。
その目的は、「マインドフルネスを活用してストレスを低減すること」です。
このプログラムは、アメリカのマサチューセッツ大学において、ジョン・カバット・ジン博士によって開発されました。
もともとは、慢性的な痛み（慢性疼痛）やストレスを抱える人に向けて開発されたもので、取り除くことが難しい痛みやストレスに対し、それとうまく付き合っていくことを学ぶことで、人生をより豊かにしていくことを目的として作られました。
現在、MBSRは30カ国以上の国々で提供されています。
医療機関、福利厚生機関、教育機関、会社経営の現場などで幅広く活用され、科学的にもその効果が証明されています。
1-2. 対象となる方々
MBSRは、以下のような方々を対象としています。
ストレスにより身体や心に不調が起きている
現在のストレスケア、セルフケアがうまく機能していない
ストレスに対処する実践的な手法を学びたい
感情とうまく付き合う方法を身に付けたい
その他、以下のような方々にも役立てていただけます。
マインドフルネス実践の基礎を身に付け、体験的な理解を形成したい
マインドフルネスを使った心身のケアやコミュニケーションの方法を学びたい
将来的にマインドフルネスを仕事に活用していきたい
1-3. MBSRで学べること
MBSRでは、ストレスに「気づき」「立ち止まり」「対応する」方法を、マインドフルネス瞑想を用いて、実践的に学んでいきます。
「なぜそのために8週間も必要なのか」と疑問に感じられるかもしれませんが、これは、ストレスへの対応を変化させるために必要な期間です。
ここでいう、ストレスへの対応とは、後で振り返って自分の状態に気付き、頭でより良い対応を考えることだけではなく、今のこの瞬間の自分自身の状態に体験を伴って気づき、その場で対応することが含まれています。
つまり、ストレスを感じている最中の自分自身の中に、どんな「思考・感情・身体の感覚」が起きているのかに、リアルタイムに気づいて、より自分を良い方向へ向ける行動を選択するということです。
ところがこれは簡単なことではありません。
なぜなら、私たちが強いストレスに出会うと、私たちが考える前に、自動的に行動が起こることがあるからです。
気づいたら誰かに強い言葉を発していたとか
気づいたら食べすぎたり飲みすぎたりしていたとか
気づいたら1時間も考えごとをしていて夜中になっていたとか
こうした反応というのは、日常の中で繰り返し行われて、すっかり習慣になっていることも多くあります。
すっかり習慣化した行動を変化させていくのですから、数日でそれが解決するということはめったにありません。
MBSRのプログラムの中では、8週間の中で体験を積み重ね、身体と心を通して学び、ストレスとうまく付き合う新しい心のモードを身に付け、習慣化していくことを重視します。
２．マインドフルネスストレス低減法（MBSR）の実際
ここまで、MBSRの概要をご紹介してきました。
次は、実際のプログラムがどのように提供されているのかをご説明します。
2-1. プログラムの枠組み
通常、MBSRプログラムは、原則4名以上の参加者とその場を切り盛りするガイド（MBSR講師）のグループとして提供されます。
MBSRの講師は、参加者さんたちひとりひとりが安心して参加し、実践したり、発言したりすることをサポートします。また、参加者さんが実践の中で難しいことに出会った時には、MBSRの講師は、参加者さんがその困難と折り合いをつけながら実践を続けていけるように、様々な方向性のサポートを行います。
また、MBSRを一緒に学ぶ仲間がいることも大きな助けになります。
日々の練習に取り組むモチベーションになったり、自分とは違う体験を聞く機会を得られたり、困難に出会った時に分かち合あったりすることができます。
2-2. プログラムの構成
MBSRプログラムの8週間は下記の要素で成り立っています。
クラス開始前の面談と終了後の面談
2時間半のセッション（週１回）×８回
終日（6〜7時間程度）のプログラム×1日
毎日のホームプラクティス（毎日およそ1時間）
８回のセッションを大きな括りでまとめると、以下の3つのステップに分かれます。
基礎 ：マインドフルネスの基礎を学ぶ
中核テーマ：自分自身のストレス反応のパターンに気づく
応用 ：ストレスへ対応し、自分自身をケアする方法を学ぶ
MBSRの中では、マインドフルネスの基礎から応用まで、体験しながら学んでいきます。
8週間の各週ごとのテーマを知りたい方は、こちらのリンクからご覧いただけます。
３．マインドフルネスストレス低減法（MBSR）の効果
次に、MBSRプログラムの効果も見ていきましょう。
まず、結論からお伝えすると、これまでの研究において、MBSRは以下の症状に対して効果が示されています。
ストレスの低減
不安の低減
うつの再発予防
血圧の低下
疼痛の低減
プログラムの効果を測定する方法には複数のやり方がありますが、その中でもランダム化比較試験（Randomized Controlled Trial：RCT）のシステマティックレビューというものが、私たちに質の高いエビデンス（証拠）を提供してくれると言われています。
MBSRはこのRCTのシステマティックレビューにおいて、ストレスを低減する効果が示されています（関連する論文リンク）。英語ですが、関心のある方はぜひ読んでみてください（翻訳ツールやAIを使うと読みやすくなります）。
４．MBSRをはじめるには
それでは、MBSRのプログラムはどこで、どのように体験することができるのでしょうか。
MBSRのプログラムは対面やオンラインで提供されています。
オンラインの場合、ご自宅からつながるための通信機器などの準備が必要ですが、会場まで往復する時間とお金を節約することができます。
Mindful Space imacoco（イマココ）では、MBSRをオンラインにてご提供しています。
ご関心があれば、どうぞお立ち寄りください。
MBSRのプログラムをより安全に、質を保ってご提供するために行なっている、講師のトレーニング歴も公開しております。よろしければご覧ください。
MBSRの無料説明会も定期的に開催しています。
最新の情報はWebサイトをご確認ください。
また、まずはMBSRプログラムの中身だけのぞいてみたいという方もいらっしゃるかもしれません。そのような方向けには、MBSRのプログラムを個人で体験するためのワークブックも発売されています。
すでにマインドフルネス瞑想に慣れている方、ひとりでこつこつ実践を進めるのが好きな方のサポートになってくれるかもしれません。
5. まとめ
さて、ここまでマインドフルネスストレス低減法（MBSR）についてご紹介してきました。
MBSRについて、３つのポイントにまとめておきましょう。
MBSRは、８週間のマインドフルネス集中トレーニング
ストレスとうまく付き合う心のモードを学ぶ
ストレスを低減する効果が科学的に認められている
いかがだったでしょうか。
6. もっと手軽にマインドフルネスを始める
ここまで読んでみて、プログラムに関心はあるけれど、今の自分にとってはハードルが高そうだと感じられる方もいらっしゃると思います。
安心してください。
マインドフルネスの実践には、もっと手軽なものもたくさんあります。
Mindful Space imacoco（イマココ）のLINEアカウントでは、マインドフルネスに関する記事や、ガイド音源などを、ゆったり月１程度のペースで配信しています。ご登録は無料ですので、ぜひ、気軽に試してみてください。
また、「個人的にマインドフルネスを体験したい」という方に向けて、一回だけの個人セッションもご提供しています。もしもお役に立つようであれば、お問い合わせページよりお知らせください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
みなさまの今日に、マインドフルな時間がありますように。
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